日々の雑感や、様子を綴ったコラム
-- 2014.04.27
ソチオリンピックがもう遥か昔のことのようだが、それはさておき今の研究室の同僚にソチの近く出身の ロシア人 Aくんがいる。
この Aくん、これまで一流大学を渡り歩いてきた頭のいいヤツだが、非常に 強烈な個性 の持ち主である。日本であまり出会ったことのないタイプな気がする。良い面は、
(1)世話好き(研究室のありとあらゆる雑務を把握している。)
(2)みんなをまとめようとする団結精神
(3)理路整然とした話術
一方、アツロー的に付き合いにくいなと感じてしまう面は、
(1)おしゃべり好き過ぎ(研究に集中しているとイラッとするほど、常に誰かとペチャクチャ…)
(2)しかも、かなり言葉が汚い(3語に1語は 禁句 が含まれる。)
(3)がががが 頑固
同じ部屋にいることもあり、たまにディスカッションもする。彼の得意分野や優れた才能を買った上で、
「やろうとしているプロジェクトは、キミがやるような内容じゃない(サイエンスじゃない)。
もっと ●● したらいいんじゃないか?」
と 控えめに発言 したりすることもあるのだが、ボクよりも頑固で口達者な彼と共鳴することはなかなか難しい。
先日、そんな Aくんと話していたとき、意外な事 を聞いた。あれだけ意志表示のはっきりした人物なので、自分の進路は当然、明確に見据えているものと思っていた。ところが、彼は 企業 に行くか アカデミア(大学や研究所)に進むか悩んでいて、しかも「自分が将来何をやりたいのかわからない」と言う。唯一の希望は、
「自分にあった選択をして、仕事で家族を犠牲にすることなく、幸せに暮らしたい。」
ことだそうだ。自分の事と研究の生産性しか考えていないと思っていたAくんの 人間味 を初めて感じたような気がした(笑)彼も、研究を生業とする者が考えるであろう悩みや望みを持っていたのか、と。
しかし、将来の選択において Aくんとボクで 決定的に違うこと が一つある。それは、彼は自分の故郷であるロシアで職を得るという選択肢を全く考えていないことだ。彼曰く、
「企業にせよアカデミアにせよ、科学をやる環境としてロシアは F-word (禁句) だ。」
と。(状況が変わりつつあるとはいえ、)同じような事を中国人から聞くことも多い。
これは、日本の科学力と自分が日本で受けてきた教育に誇りを持っているボクには、非常に可哀想なことに思える。ボクは、日本で研究をしていたら世界と戦えないとは思っていない。もちろん、日本とアメリカの科学力・研究環境を比較してアメリカの方が優れているな、と思う点もたくさんある。しかし、ボクの発想は「アメリカの方が優れている点は日本にも取り入れたらいいじゃないか」であって、「日本は劣っているからダメ」とは 今のところは ならない。
尤も個人レベルの話でいえば、各々がやりたいことができる居場所があるなら、たとえそれが自分の故郷ではなくても、必ずしも可哀想なことではないのかもしれない。
というか、アメリカという国 は、そういう人達で成り立っているんだし。
けれども、アメリカ国民になるため、グリーンカード取得に情熱を燃やしている彼らの姿を見ると、エネルギーを注ぐ場所が僕とは違うんだな、と思わざるを得ないのである。逆に、日本人の場合はもっとアメリカや他の国でポジションを得るという選択肢を増やして、自分に最適な居場所を求めて海外に出る人を増やした方がいいのかもしれないが…
強烈だけど、優秀なロシア人の彼がどういう選択をするのか、今後研究者として人間として何を考えていくのか、興味深い。ボクはボクで、こういった個性溢れる世界の優秀な頭脳達と張り合っていけるように、自分に磨きをかけていかないと!口喧嘩 !? で負けない力も。
この Aくん、これまで一流大学を渡り歩いてきた頭のいいヤツだが、非常に 強烈な個性 の持ち主である。日本であまり出会ったことのないタイプな気がする。良い面は、
(1)世話好き(研究室のありとあらゆる雑務を把握している。)
(2)みんなをまとめようとする団結精神
(3)理路整然とした話術
一方、アツロー的に付き合いにくいなと感じてしまう面は、
(1)おしゃべり好き過ぎ(研究に集中しているとイラッとするほど、常に誰かとペチャクチャ…)
(2)しかも、かなり言葉が汚い(3語に1語は 禁句 が含まれる。)
(3)がががが 頑固
同じ部屋にいることもあり、たまにディスカッションもする。彼の得意分野や優れた才能を買った上で、
「やろうとしているプロジェクトは、キミがやるような内容じゃない(サイエンスじゃない)。
もっと ●● したらいいんじゃないか?」
と 控えめに発言 したりすることもあるのだが、ボクよりも頑固で口達者な彼と共鳴することはなかなか難しい。
先日、そんな Aくんと話していたとき、意外な事 を聞いた。あれだけ意志表示のはっきりした人物なので、自分の進路は当然、明確に見据えているものと思っていた。ところが、彼は 企業 に行くか アカデミア(大学や研究所)に進むか悩んでいて、しかも「自分が将来何をやりたいのかわからない」と言う。唯一の希望は、
「自分にあった選択をして、仕事で家族を犠牲にすることなく、幸せに暮らしたい。」
ことだそうだ。自分の事と研究の生産性しか考えていないと思っていたAくんの 人間味 を初めて感じたような気がした(笑)彼も、研究を生業とする者が考えるであろう悩みや望みを持っていたのか、と。
しかし、将来の選択において Aくんとボクで 決定的に違うこと が一つある。それは、彼は自分の故郷であるロシアで職を得るという選択肢を全く考えていないことだ。彼曰く、
「企業にせよアカデミアにせよ、科学をやる環境としてロシアは F-word (禁句) だ。」
と。(状況が変わりつつあるとはいえ、)同じような事を中国人から聞くことも多い。
これは、日本の科学力と自分が日本で受けてきた教育に誇りを持っているボクには、非常に可哀想なことに思える。ボクは、日本で研究をしていたら世界と戦えないとは思っていない。もちろん、日本とアメリカの科学力・研究環境を比較してアメリカの方が優れているな、と思う点もたくさんある。しかし、ボクの発想は「アメリカの方が優れている点は日本にも取り入れたらいいじゃないか」であって、「日本は劣っているからダメ」とは 今のところは ならない。
尤も個人レベルの話でいえば、各々がやりたいことができる居場所があるなら、たとえそれが自分の故郷ではなくても、必ずしも可哀想なことではないのかもしれない。
というか、アメリカという国 は、そういう人達で成り立っているんだし。
けれども、アメリカ国民になるため、グリーンカード取得に情熱を燃やしている彼らの姿を見ると、エネルギーを注ぐ場所が僕とは違うんだな、と思わざるを得ないのである。逆に、日本人の場合はもっとアメリカや他の国でポジションを得るという選択肢を増やして、自分に最適な居場所を求めて海外に出る人を増やした方がいいのかもしれないが…
強烈だけど、優秀なロシア人の彼がどういう選択をするのか、今後研究者として人間として何を考えていくのか、興味深い。ボクはボクで、こういった個性溢れる世界の優秀な頭脳達と張り合っていけるように、自分に磨きをかけていかないと!口喧嘩 !? で負けない力も。
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