日々の雑感や、様子を綴ったコラム
-- 2014.05.27
先日、日本の文具メーカー PILOT の『フリクションボール』というペンをもらった。普通の水性ボールペンと違うのは、ペン先の反対側にあるゴムでこすると、インクが消える点。ボールペンの文字を消す必要性があるのかどうかは不明だが、面白いので愛用している。
いったいどういう仕組みだろう?ペンの側面を見るとこんな注意書きがある↓↓↓
・60℃以上になるとインキが無色になります。
・−10℃前後になると消去した筆跡が戻る場合があります。
なるほど。このペンの性質と注意書きからわかるのは、使われているインキが熱応答性をもち、常温付近において二つの状態(色付きと透明)を取り得るということだ。
下の図を見てほしい↓↓↓
フリクションボールで紙に書いたインクをゴムでこすると 摩擦熱 が発生する。この摩擦熱で60℃以上まで局所的に熱をもったインクは、色付きの状態から透明な状態へと遷移する。常温付近へ戻るときは透明な状態を保っている(図の黒矢印)から、インクは消えたままである。
しかし、インクの成分がなくなったわけではなく、あくまで透明になっただけ。従って、さらに温度を下げていくと、ある点(マイナス10℃付近)で透明な状態から色付きの状態へと戻る。実際に、一度こすって消したインキの上に ドライアイス を押し当てると、文字が再び浮き上がってきた(← 実験室で試していたら、ラボのメンバーも大喜び)。
図に示したような曲線を ヒステリシス といい、磁石に近づけたクリップが磁石になる現象(磁化)や、形状記憶合金 なども同じようなヒステリシスに基づく。フリクションボールに具体的にどんなインク材料が使われているのかはわからない(特許は公開されている模様)が、実によくできているな。こういうインクを狙って作るのはかなり難しいと思うので、おそらく一番最初のきっかけは偶然の発見によるものと推測する。
ところで、フリクションボールの注意書きには
・証書類・宛名書きには使用できません。
ともある。どうやらこれは、『フリクションボールを使って公式文書を不正に書き換え』という最近の事件を苦慮してのものと思われる。
勤務表をフリクションボールで記入
→ 上司の許可印をもらう
→ 消して都合良く書き換えた後、経理に提出(余分にお金を受給)
という寸法らしい。よく考えたものだ(苦笑)
上司のみなさんは、疑わしい人物が提出してきた書類は 冷凍庫 にしばらく保管しておくとよい。不正はすぐに見抜ける (^ ^;)
いったいどういう仕組みだろう?ペンの側面を見るとこんな注意書きがある↓↓↓
・60℃以上になるとインキが無色になります。
・−10℃前後になると消去した筆跡が戻る場合があります。
なるほど。このペンの性質と注意書きからわかるのは、使われているインキが熱応答性をもち、常温付近において二つの状態(色付きと透明)を取り得るということだ。
下の図を見てほしい↓↓↓
フリクションボールで紙に書いたインクをゴムでこすると 摩擦熱 が発生する。この摩擦熱で60℃以上まで局所的に熱をもったインクは、色付きの状態から透明な状態へと遷移する。常温付近へ戻るときは透明な状態を保っている(図の黒矢印)から、インクは消えたままである。
しかし、インクの成分がなくなったわけではなく、あくまで透明になっただけ。従って、さらに温度を下げていくと、ある点(マイナス10℃付近)で透明な状態から色付きの状態へと戻る。実際に、一度こすって消したインキの上に ドライアイス を押し当てると、文字が再び浮き上がってきた(← 実験室で試していたら、ラボのメンバーも大喜び)。
図に示したような曲線を ヒステリシス といい、磁石に近づけたクリップが磁石になる現象(磁化)や、形状記憶合金 なども同じようなヒステリシスに基づく。フリクションボールに具体的にどんなインク材料が使われているのかはわからない(特許は公開されている模様)が、実によくできているな。こういうインクを狙って作るのはかなり難しいと思うので、おそらく一番最初のきっかけは偶然の発見によるものと推測する。
ところで、フリクションボールの注意書きには
・証書類・宛名書きには使用できません。
ともある。どうやらこれは、『フリクションボールを使って公式文書を不正に書き換え』という最近の事件を苦慮してのものと思われる。
勤務表をフリクションボールで記入
→ 上司の許可印をもらう
→ 消して都合良く書き換えた後、経理に提出(余分にお金を受給)
という寸法らしい。よく考えたものだ(苦笑)
上司のみなさんは、疑わしい人物が提出してきた書類は 冷凍庫 にしばらく保管しておくとよい。不正はすぐに見抜ける (^ ^;)
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Comments
無題
あのボールペンはそういうことだったのか。
うまく考えたなあ。
私はまだ未使用だけれど、
職場でも、時々話題になるので、さも自分が考えたかのように、私が仕組みを話す日も近いかもしれません。
覚えておこう。
ちなみに、私は「知ってる?」と言われた時に知らなかったら、根掘り葉掘り質問して、今度見てみますとか、読んでみますと言っています。ただ聞くだけでも、興味を持って聞けば、話が弾みます。
職場の生真面目な先輩に、何でもかんでも「知らない。興味ない」と言われ続けた体験から、知らなくても、ちょっとでも好奇心を見せるのは、こびるのでも何でもなく、人としての可愛らしさだなと気付かされたからです。
それからは、とりあえず見てみる、読んでみる、知ってみるようになりました。
誘われたら、とりあえず行ってみるもありですよ。
とはいえ、宗教その他の怪しげな誘いには気を付けていますが。
うまく考えたなあ。
私はまだ未使用だけれど、
職場でも、時々話題になるので、さも自分が考えたかのように、私が仕組みを話す日も近いかもしれません。
覚えておこう。
ちなみに、私は「知ってる?」と言われた時に知らなかったら、根掘り葉掘り質問して、今度見てみますとか、読んでみますと言っています。ただ聞くだけでも、興味を持って聞けば、話が弾みます。
職場の生真面目な先輩に、何でもかんでも「知らない。興味ない」と言われ続けた体験から、知らなくても、ちょっとでも好奇心を見せるのは、こびるのでも何でもなく、人としての可愛らしさだなと気付かされたからです。
それからは、とりあえず見てみる、読んでみる、知ってみるようになりました。
誘われたら、とりあえず行ってみるもありですよ。
とはいえ、宗教その他の怪しげな誘いには気を付けていますが。
> しるこさん
おっしゃる通り!
「知らないの壁」を作るのではなく、とりあえずはその壁を乗り越えて、あるいは取っ払って話をしたいね。
飲み会など大人数で英語だと、未だにまったく話についていけなくなることがあります。でも、それは単にボクの英語の問題ではなく(いや、英語も問題だが…)、そもそも全く知らない話をされてるからついていけないんだと気付くことがあります。
大人数だと、「ちょっと、それどういう意味?知らないんだけど…」と話の腰を折る割り込みも難しい。必然的に黙りこむが、つまらなそうな顔もしにくい。こういうシチュエーションでの会話への加わり方を、もう少しうまくやりたいところです。
「知らないの壁」を作るのではなく、とりあえずはその壁を乗り越えて、あるいは取っ払って話をしたいね。
飲み会など大人数で英語だと、未だにまったく話についていけなくなることがあります。でも、それは単にボクの英語の問題ではなく(いや、英語も問題だが…)、そもそも全く知らない話をされてるからついていけないんだと気付くことがあります。
大人数だと、「ちょっと、それどういう意味?知らないんだけど…」と話の腰を折る割り込みも難しい。必然的に黙りこむが、つまらなそうな顔もしにくい。こういうシチュエーションでの会話への加わり方を、もう少しうまくやりたいところです。
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